今回のペレットストーブ設置工事は、旅館メンテナンスに合わせて玄関ホールの下駄箱撤去と腰壁の設置工事も合わせて行いました。二日間にかけての工事です。
鉄骨組みの玄関ホールで図面も残っておらず壁内の様子が全くわからない状況での設置工事でしたので、排気穴の抜き位置は最後まで悩みました。
初日は、宿泊されているお客様がチェックアウトしてからの作業になるので昼からの作業です。1日目で下駄箱撤去と腰壁貼りを終わらせる段取りです。
下駄箱を撤去しようと思ったら、取り付けビスを外しても取り外せません。なぜ?と冷や汗が出ましたが、すぐにわかりました。土間コンを後から塗っていたので、下駄箱自体が埋まってる様です。原因がわかったのは良いが土間の補修が必要になり、慌てて左官さんに連絡。休館中の設置工事なので今日中に対応してもらわないとオープンに間に合わないため、無理を言って他の現場が終わり次第、こちらに来てもらう事になりました。鉄骨の基礎が出て来たりと想定外なものがあちらこちらに・・・
壁のプラスターボードが一部湿気でボロボロだったので、部分的に張替えを行う事にしました。そのおかげで鉄骨の位置と、ボード下地の軽天下地のピッチも確認でき排気管の貫通位置が決まりました。現場では不測の自体がよく起こるので現場で臨機応変に対応する事が結構重要になります。
下駄箱を撤去したら、鉄骨柱の基礎が出て来たりとあれやこれやで現場は慌ただしく新たに材料を仕入れに行ったり、工場に戻って材料を準備したりと1日目の作業を工程通り進めるためにドタバタです。
腰壁に使った材料は、不燃木材です。オーナーからの要望で改修工事には不燃材を使用してください。と指定があっていたので色々と調べてこの不燃天然木を採用しました。玄関周りやホールには天然木が使われていますが、消防署から安全のために新たな改修工事には木材などの可燃物の使用許可が降りないためです。不燃のボードや建材も考えたのですが、周りが無垢材でフロント横の壁が建材では安っぽい仕上がりになってしまうので、普通の無垢に比べて数倍値が張りますが小ロットの使用なのでオーナーに了承をいただきました。
腰壁が張り終わる頃にはあたりは真っ暗になりました。大工さんには先に帰ってもらい左官さんが到着するのを待ち、土間コン打ちが終わるまで帰れません。なんとか1日目で予定していた工程まで終わる事が出来そうです。
二日目の作業は、ペレットストーブ本体の設置工事です。土間もまだ完全には乾いていませんが、午前中は養生しながら作業を進めていきます。
壁のコア抜きは、鉄骨や軽天に当たらない様に慎重に位置を割り出し貫通させます。この辺りからいつも通りの作業でスイスイ進みます。
玄関先からの壁抜き。軒と隣の小屋にも排気が当たらない様に変則で排気管を組み上げました。壁から抜き出た位置にもT字管をつけ、吸気の確保以外にも長めの排気管の灰チェックの役割も果たします。
今回採用した新型の排気トップ。吸気口は完全に塞がれており、吸気はT字管から取り込みます。排気トップと吸気口が完全に隔離されるので強風時の排気の吸い込みを抑えクリーンな燃焼を促します。雨水の侵入にも強い仕様です。
土間も乗っても大丈夫なくらい硬化したので、本体と排気管を接続し設置完了です。あとは試験燃焼を済ませ、支配人さんに取説を行います。こちらの旅館さんがいつも利用されている電気屋さんが多忙で今日中には現場に入れずコンセントの設置が間に合わなかったため、とりあえず延長コードで試験燃焼を行いました。
鉄骨の基礎も本体裏に隠れ、本体もキレイに収まりました。今回の工事は結構ハードな内容でしたので疲れました。短期間での打ち合わせと設置工事でしたが、きちんと設置ができてホッとしました。